「ナイトメイヤー」という言葉をご存知でしょうか?夜の経済(ナイトタイムエコノミー)を盛り上げる旗振り役となる”夜の市長”です。2026年9月、名古屋市は市出身の岩田剛典さんを、このナイトメイヤーに委嘱しました。”退屈な街”とも揶揄される名古屋市ですが、その大きな要因の一つに「夜が早い」というのがあります。
“名古屋の夜をもっと楽しく”。岩田さん就任への期待と、それだけでは解決しない課題、そして解決の方向性を考えたいと思います。
岩田剛典さんのナイトメイヤー就任で期待されること
岩田さん就任により最も期待されるのは、なんといっても”PR効果”です。ナイトメイヤーとしての活動は夜のにぎわいを目的としたイベントへの出演や、広報媒体での情報発信が中心で、委嘱の日には名古屋城の夜間ライトアップの点灯式にも出席しました。
もちろん東京や大阪と比べると見劣りするものの、235万人の人口を抱える大都市であるだけに、他の地方都市と比較すれば名古屋の夜にも様々なイベントがありますが、これまで”PR下手”があだとなり、”名古屋はつまらない”というイメージが先行しています。
全国的な知名度を持つ地元出身者がイベントに参加することで、こうしたイメージを払拭する効果が期待できます。多くのファンをもつ岩田さんの活動により、国内だけでなく海外のファンへのPR効果は絶大といえます。

PR不足だけじゃない・・・まだまだ不足”夜のエンタメ”
現在もそれなりに夜のエンタメがあるとはいえ、東京や大阪に比べて圧倒的に”夜のエンタメ”が不足しているのが実情です。なかでも大きな”ハコ”を利用した大規模なライブはもちろんですが、中小規模のライブやコメディを楽しむ文化が名古屋は極端にない気がします。その意味で先日、名駅南の旧名古屋四季劇場の建物を買い取った大手イベント会社のサンライズプロモーションが、名古屋に”新しい風”を巻き起こしてくれるのではないか?と期待します。また、昨年(2025年)3月に港区のみなとアクルスにオープンしたライブハウス「PORT BASE」や星ヶ丘ボウルの跡地開発で建設中の複合ビルの6階にオープンする「星ヶ丘プレイハウス」なども、名古屋に新たなエンタメ文化を創出してほしいものです。
終電のせい!?早い名古屋の夜をどう変える?
夜が早いというイメージをもたれる最大の理由は、東京や大阪に比べて飲食店などの閉店が明らかに早いのが理由かと思います。錦三(キンサン)などの歓楽街でも12時どころか10時に閉店する店も少なくありません。終電が早いことが閉店が早い理由として語られることが多いですが、終電は一部の路線を除いていずれも0時〜1時の間。実は東京や大阪と比較して大差ないのが実情です。
夜まで街を楽しんでいる人が少なく、夜遅くまで営業しても採算がとれないからというのが、多くの店で閉店が早い本当の理由なのではないかと思いますが、逆に閉店が早いから夜まで街で楽しむ人が少なくなっているという”ニワトリとタマゴの関係”のようになっているのではないかとも思います。市が本気で”名古屋の夜”を活性化させたいなら、テスト的に地域と期間を絞って夜遅くまで営業した店に補助金を出すことで夜の潜在需要をあぶりだす施策などを打ってみてはどうでしょうか?
また例えばIGアリーナでのイベント開催後、近くの金シャチ横丁が閉店しているのは大きな機会損失をしているようにも思います。IGアリーナやバンテリンドームのイベント開催時には、同じように市が周辺の店に補助金をだして営業時間を延長してもらうなどの施策を検討してみるのもいいかもしれません。
ナイトタイムエコノミーの市場規模は!?
日本政策投資銀行の試算によりますと日本のナイトタイムエコノミーはコロナ禍前の2016年の試算で22兆円。10年前のデータでいまはもっと規模が大きくなっていると思われますが、それでも日本全体のGDPの数%にとどまり、ウエイトの大きいものではありません。
「地域へのナイトタイムエコノミー定着に向けて」(日本政策投資銀行研究所)
ただ夜も楽しめる街となれば、都市の魅力、ひいてはプレゼンスが一気にあがると思います。
“退屈な街”払拭へ。市が今後どのような取り組みを進めていくのか見守りたいです。
