人口過去最高なのに東京流出ワースト1位の謎

先日、名古屋市より10月1日現在の推計人口が発表されました。それによりますと名古屋市の推計人口は235万4,205人。前月比で644人のプラスとなり、過去最高をさらに更新しました。人口増を支えているのは転入による社会増ですが、内容を分析すると課題も浮き彫りになってきます。今年に入りさらに加速する人口増の現状と今後について考察します。

名古屋市の人口について(名古屋市公式HP)

自然減を上回る社会増が続く

名古屋市が公表している「毎月1日現在の人口」によりますと、直近1年間では自然減が10,771人あったのに対し、社会増は19,790人と人口減少社会の中で、名古屋市に限っては自然減を大幅に上回る転入超過がおこっていることが確認できます。

各区で濃淡 区別でみた人口動態は!?

過去最高を更新し続ける名古屋市ですが、人口動態を詳しくみると各区で濃淡があります。16区のうち9月から10月にかけて人口が増えたのは11区。特に増加が目立ったのは昭和区(+240人)、中区(+161人)、東区(+133人)の3区です。一方で中川区、港区、南区、守山区、緑区の5区では人口が減少しています。名古屋市の中でも都心に近いところに人口が集中しているのを確認できます。

 

社会増を支えるのは外国人住民の増!?急がれる本格的な共生社会への確立

社会増の大きな原因として考えられるのは外国人住民の増加です。10月1日現在の名古屋市内の外国人住民の数は11万7,901人。ここ数年、毎年1万人ペースで増加が続いています。

国籍・地域別では、中国が26,772人で最も多く、ネパール17,402人、ベトナム15,296人、韓国・朝鮮13,527人、フィリピン11,303人と続きます。増加が目立つのはネパールで、ここ数年でベトナムや韓国・朝鮮を抜いて一気に2位となっています。

在留資格別で急増しているのは専門的・技術的分野や留学です。

名古屋市外国人公簿人口(名古屋市HP)

市内人口に占める割合は5%で、20人に1人が外国人住民という計算です。外国人の受け入れについては政治的にも賛否がある課題ですが、現実問題、街のエネルギーを維持するためには厳格なルールで入国管理をした上で、ある程度の人材を受け入れる以外に選択肢がないようにも思います。日本人にも外国人にもストレスのない共生社会への確立というのが、急がれるのでは?と改めて感じます。

人口増の一方で 止まらぬ東京圏への流出

外国人を中心に人口増が加速する一方で、東京圏への流出は依然としてとまっていません。2024年の東京圏への流出超過は4,401人、流出規模は全国の市町村でもワースト1位で、特に若者や女性の流出が顕著となっています。

転出の主な理由は仕事の都合(63%)。以前は進学や就職に伴う転出が目立ちましたが、ここ数年は20代後半のキャリアアップを考える時期での流出が急増しています。製造業が非常に強力な一方で、名古屋にはITやクリエイティブ、エンタメといった刺激的なキャリアが決定的に不足していることがくっきりとデータに表れていることが確認できます。

名古屋が都市の活力を今後も持続的に維持ができるかは、仕事の都合で若者や女性がわざわざ東京に行かなくてもいいような”受け皿”を用意することが重要といえそうです。

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