利用客は過去最高水準・・・経営危機から大復活「あおなみ線」の将来展望

名古屋駅と金城ふ頭を結ぶ「あおなみ線」。2004年10月の開業後、わずか数年で一度、深刻な経営危機に陥り、2010年には事業再生ADRを申請。名古屋市などから大規模な支援を受けるなど一時は”お荷物”ともなりましたが、その後は見事に復活を遂げ、2025年度には開業以来過去最高水準の1日平均45,686人の見込みとなるなど、順調に利用客も伸びています。2023年度からは3年連続の黒字となっていて順調に財務も改善に向かっています。

通勤・通学の足に加え、レゴランド・ジャパンやポートメッセなごや、リニア・鉄道館などへのアクセス路線としても伸び続けている「あおなみ線」。

歴史と現状、それに将来の見通しについてまとめました。

開業時の利用者予測を大きく下回り・・・深刻な経営危機に

あおなみ線は2004年10月、名古屋駅と金城ふ頭駅を結ぶ全長15.2km、11駅の路線として開業しました。しかし、開業当初は沿線開発の遅れなどもあり、利用者数が想定を大きく下回りました。

開業時に想定されていた利用者数は1日約6万6,000人。一方、実際の利用者数は予測を大きく下回り、当初の想定の4割程度にとどまりました。

巨額の建設費を抱えるなか赤字が続き、2010年、あおなみ線を運営する名古屋臨海高速鉄道は事業再生ADRを申請しました。

当時の負債総額は約571億円。開業からわずか6年で、会社は深刻な経営危機に直面することになったのです。

利用者数は大きく回復・・・コロナ禍からも復活

再生ADR申請後、名古屋市や愛知県などによる総額450億円の公的支援を受けて再出発した「あおなみ線。経営再建を経て、利用者数は徐々に増加していきます。

沿線ではささしまライブの開発が進んだほか、金城ふ頭ではリニア・鉄道館やレゴランド・ジャパンが開業。ポートメッセなごやも展示会やイベントの会場として集客力を高めてきました。

ささしまライブ
「ポートメッセなごや(名古屋国際展示場)」第1展示館

コロナ禍を受けて一時は一日平均の利用客が29,643人にまで減少しましたが(2020年度)、その後は徐々に回復し、2025年度にはコロナ禍前を超える1日平均乗車人数は45,686人(見込)まで増加しました。

収益面でも回復・・・2025年度は営業収益32億円超

会社の収益も順調に回復しています。2025年度の営業利益は4億2,900万円。全駅でのホームドアの設置など設備投資の増加で、2024年度と比較してわずかに減益となったものの、旅客運輸収入は大幅に増加しています。

2023年度から3年連続の黒字。いまだ270億円の累積赤字を抱えているものの、確実に財務が改善に向かっています。

レゴランドの拡張に名古屋競馬場跡地・・・今後も続く沿線開発でさらなる集客力アップへ

今後のあおなみ線にとって、さらに追い風となりそうなのが沿線開発です。

金城ふ頭では、2027年春にはレゴランド・ジャパンで「レゴ ニンジャゴー・ワールド」の拡張が予定されています。新たなアトラクションや飲食・物販施設の導入によって、ファミリー層を中心とした来場者の増加が期待されます。

レゴニンジャゴー・ワールド完成予想(レゴランドジャパン公式HPより)

レゴランド・ジャパン拡張

また港北駅では名古屋競馬場跡地では中部電力グループが中心となって大規模開発が実施され、2029年度以降、住宅や商業施設、学校施設などが順次供用開始となります。

名古屋競馬場跡地再開発イメージ

名古屋競馬場跡地計画

本格的な人口減少社会の到来という不安要素があるものの、こうした沿線開発が進めば、利用客はさらに増加することも期待できます。

一度は経営危機に直面したあおなみ線が、今後どこまで利用者数を伸ばしていくのか。沿線のさらなる発展とともに、その動向に注目したいと思います。

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