2022年の年頭に考える②・・・栄”復権”元年 街の変貌は!?
昨年(2021年)10月。栄角地を中心とした大規模再開発計画「(仮称)錦三丁目25番街区計画」の都市計画案が名古屋市に提出され、計画の概要が明らかになりました。
地上41階、地下4階、高さ210メートル。当初明らかになったものよりグレードアップした計画になりました。オフィス、ホテル、シアター、商業、駐車場などが入る複合ビルで、高さが200メートルを超える超高層ビルが建設されるのは栄地区では最初になります。
昨年(2021年)末には、予定地の一部になっている「SMBCパーク栄」が閉鎖しました。2022年はいよいよ現地で工事が始まるとみられます。
「錦三丁目25番街区市有地活用事業」についてはこちら
一方、今年(2022年)に工事の進捗が最も楽しみなのは、新「中日ビルディング」の建設工事です。地上33階、地下5階、高さ158.877メートル。オフィス、ホテル、商業施設が入る複合超高層ビルです。
昨年(2021年)の後半からは躯体工事がはじまり、ゆっくりと躯体があがってきました。
2022年は躯体がぐんぐん上に伸びる様子が観察できそうです。
名古屋三越建替え、丸栄跡地を含む興和の一体開発、ノリタケ・鹿島・第一生命ビル一体開発、明治屋跡地再開発、名古屋市教育館跡地再開発、松坂屋再開発・・・。栄地区には今後も再開発計画が目白押しで、その数は名駅地区を上回ります。
この栄地区の再開発ラッシュのなかで”切り込み隊長”ともいえるのが「アーバンネット名古屋ネクスタ」です。地上20階、地下1階、高さ91.46メートル。オフィスと商業ビルの複合の高層ビルで、今月(2022年1月)末にいよいよ竣工します。
新しく竣工するアーバンネット名古屋ネクスタには、現在、瑞穂区にある本社機能が移転することなどが決まっていて、栄地区の”復権”が期待できますが、オフィス賃料の平均は、名駅地区の3分の2程度に留まっていて(名駅地区 15,069円/坪、栄地区 10,819円/坪 三鬼商事調べ)、オフィス地区としての競争力は名駅地区に大きく水を空けられているのが現状です。今後、再開発が進んでも東京や大阪、それに東海地方の主要都市からのアクセスのいい名駅地区には敵わないのではないかと思います。
名駅にはない魅力をいかに創出できるか?
栄地区が”復権”するかどうかはひとえにこれに尽きます。
その一つの答えが”観光”にあると思います。2020年9月にリニューアルオープンした「久屋大通公園」には、オープン以降、連日大勢の市民で賑わっています。
コロナによる渡航制限が続くなか、海外旅行客の姿はありませんが、制限が解除され”世界デビュー”すれぱ、インスタ映えするスポットとして、今後、観光客にも人気となりそうです。また、話題の水陸両用バスの運行もスタートは栄です。さらに世界コスプレサミットなど、他都市からも大勢の人が訪れる大型イベントのほとんども栄地区が舞台になっています。
ビジネス都市の”名駅地区”と、観光・文化発信都市の”栄地区”。
今後、栄地区で進められる大規模再開発の中には、これまであまり名古屋にはなかった超高級ホテルの誘致も計画されています。栄が名駅にはない”顔”を持ち、2つの核が街を牽引することができれば、都市として深みのある街になりそうです。