コロナ禍に見舞われた2020年。残年なニュースが飛び込んできました。名鉄などが、名駅地区で2022年度からの着工を予定していた超高層巨大ビルの再開発計画を3年程度先送りするというものです。コロナ禍により今後の需要が不透明なためで、2024年度まで凍結され、その時点で改めて計画を見直すということです。

名鉄再開発ビルの計画先送りについてはこちら

中日ビル建て替え、栄角地、丸栄跡地、三越再開発、明治ビル跡地。名古屋では今後、大規模再開発計画が目白押しですが、こうした再開発が計画通り進められるかどうか気になるところです。

オフィス仲介の三鬼商事によりますと、名古屋ビジネス四地区(名駅、伏見、栄、丸の内)のオフィス空室率は、前月比から0.28%悪化し3.67%にまで上昇しているということです。不況の目安となる空室率5%は下回っているものの、指標が悪化するのは7ヶ月連続で、コロナ禍の影響が徐々に出てきているのは間違いないようです。

さらに三鬼商事では、今後の予測として2021年は空室率が4.8に上昇。その後は22年が5.1%で底になり、23年に4.9%、24年に4.7%、25年に4.5%と徐々に回復していくものの回復の足取りは重いと言わざるをえない中長期展望をたてています。

正直コロナ禍自体、戦後の日本にとってははじめての事態で、どんな専門家で予測をすることは困難なのではないかと思います。ただ、いま起こっていることは、オフィス需要の縮小は、コロナ禍による企業収益の悪化を背景に、企業収益を確保するために各企業がオフィス需要を厳しく見直している結果であって、あくまで一時的なものであるように思います。むしろ重要なのは、今後、リモートワークは徐々に浸透していくなかで、リモートワークの浸透が、オフィス需要にどこまで影響を与えるのかを見極めることであるように思います。そして、このリモートワークへの流れというのは、たとえコロナが収束したとしても、止まらず進められていくと考えたほうがいいのではないでしょうか?

ただ、そのオフィス需要の変化はだれにも読めないものの、仮に今後、街全体の空き室率が上昇したとしても、空き室が生まれるのは競争力を失った老朽化したビルに限られます。競争力の強い新しい再開発ビルが、今後の需要動向で大きく影響を受けるとは考えにくく、今回の名鉄のケースのように一旦は立ち止まる再開発が生まれたとしても多くは計画が大きく変更されることはないように思われます。

さらに今回のコロナ禍は、今後、思いがけない社会構造の変化をもたらす可能性もあります。2020年8月、クラウドを活用した業務効率化システムを提供する「コラボスタイル」という会社が、東京都千代田区から本社を名駅のJPタワーに移転させました。これまでIT企業はほとんど本社が東京に集中していましたが、もともとネットが繋がっていればどこでも業務ができるIT企業のなかには、今回のコロナ禍を通してコストのかかる東京に無理をして本社機能を置いておく必要がないことに改めて気づかされたところも多かったようです。

コラボスタイルの松本社長はもともと愛知県江南市の出身。メルカリ、グノシー、ココナラ・・・。創業者が愛知県出身のIT企業も、いまはほとんどが東京本社の会社です。こうした企業が、名古屋に本社を移転するようになれば、オフィス需要は予想を上回るペースで回復し、現在計画されている再開発事業にも弾みがつくのではないでしょうか?

 

カテゴリー: コラム

ゆめ

名古屋栄が生活圏のサラリーマン。栄の変遷を見守ります

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