いわゆる”名古屋金利”を考える

金融業界でよく言われる”名古屋金利”という言葉をご存知でしょうか?今回は、この“名古屋金利“が起こる原因と、そこからみえる名古屋の弱点を考察したいと思います。

名古屋金利とは銀行からお金を借りる際、ほかの地区に比べて0.1~0.3%安い金利でお金を借りることができるということ。これだけ聞くといいことのように思いますが、なぜ名古屋では安い金利でお金を借りることができるのか?ということに問題があります。

名古屋金利が起こる理由として、主に次の3つが指摘されています。

  1. 市場規模に比べ金融機関の数が多い。
  2. 優良企業が多く、会社の信用が高い。
  3. 無借金経営など堅実経営の会社が多く、借金=悪の考えが根強い。

 

まずはひとつ目の「市場規模に比べ金融機関が多い」についてです。かつて名古屋は長らく東海銀行一強時代でした。しかし東海銀行がUFJグループに合併されて以降、名古屋で主導権を握る銀行が不在に。このため岐阜や三重などを地盤とする地方銀行が名古屋市場への攻勢を強めた結果、銀行の過当競争となり、融資先への「金利引き下げ競争」が激化しているという指摘です。

ふたつ目の「優良企業が多い」という点。名古屋の企業の多くは経営基盤のしっかりした優良企業が多く信用が高いため、低金利で融資を受けることができる会社が多いという指摘です。これは決して悪いことではなく、むしろ誇れることです。

問題は3つ目。「無借金経営に代表される堅実経営の会社が多い」ということ。愛知県にはトヨタという成功例があるからかもしれませんが、すでに無借金経営だったり、無借金経営を目指す企業が数多く存在します。名古屋は、一般家庭などから多くの預金が集まる一方で、お金を「借りる」企業が少なく、集まった預金の融資先がないというのが実情です。結果、「お金を借りてくれる」数少ない融資先の奪い合いとなり、金利引き下げ競争が加速しているという指摘です。日銀のマイナス金利政策以降は、さらにこの低金利競争が激化し「金利なし」で、融資をするケースすらあると聞きます。いくらなんでも「タダ」でお金を貸すメリットがどこにあるのかわかりませんが、日銀の当座預金に預けて「マイナス金利」の制裁をうけるよりはマシという判断なのでしょうか?

なるべく借金をせず、収入の範囲でやりくりする名古屋式「超堅実経営」。一見、無借金経営というのは、いわゆる「資金繰り」に苦しむ危険もなく、会社経営の理想にもみえます。しかし、借金をすれば一気に事業規模を拡大したり投資による生産性向上ができるという場面でも、チャンスを逃しているのではないか?という気がしてなりません。「借り手」のない名古屋の預金者のお金は、東京や大阪あるいは海外の企業への融資に流れ、他地域の成長の原動力になっているだけという現状が有ります。

企業だけの問題ではありません。名古屋高速も地下鉄も、新規の路線をつくる具体的な計画はありません。せっかく「名古屋金利」で他地域より安い金利で資金が調達できるのに・・・です。

「借金」=「悪」という固定観念を捨て、上手に「借金」をして事業規模を拡大したり生産性を高めたりすることそれこそが、名古屋の経営者や行政関係者に求められていることではないでしょうか?


 

 

 

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