まるでA列車!?知立駅「複層高架駅」着々と・・・2021年12月
本線と三河線が結節する名鉄の主要駅の一つ「知立駅」の鉄道高価化事業が着々と進んでいます。
本線の1,500m、三河線の3,420m(豊田方面の1,880m、碧南方面の1,540m)の合わせて4,920mが事業区間となる大規模高架化事業です。
知立駅は3階建ての複層の立体交差となります。2階が本線、3階が三河線です。この地方ではあまりみられない複層の立体交差。名鉄でも太田駅についで2例目。完成イメージをみる限り、鉄道シミュレーションゲームのA列車の世界のようです。
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現場では高架工事の槌音が響いています。
写真左が知立駅です。3階建てとあってかなり大きな建造物になります。高架の上側を三河線、下側を本線が走ります。当ブログでこの知立駅の立体交差事業を取り上げるのは実に2年半ぶりです。当時はまだ基礎工事の段階で、工事は大きく進捗しています。
知立立体交差事業の前回投稿はこちら
今回の立体交差事業が完成すれば、10ヶ所の踏切が順次解消されていきます。特に三河線と本線が集結する駅のすぐ東側の踏切は一日の遮断時間が10時間50分にものぼるということで、典型的な”開かずの踏切”です。踏切が撤去されれば、市民の交通のロスが大きく改善されるとともに街の景観も大きく向上することが期待されます。さらに愛知第2の都市でありながら鉄道交通網が極めて貧弱な豊田市と、名古屋を直接特急で結び現状1時間以上かかる同区間を40分で結ぶ構想が進んでいます。三河線から知立駅を経由して本線で名古屋に向かうルートが前提となっていて、三河線の複線化などまだ様々な障害はあるものの今回の高架化は確実に大きな一歩となります。
工事は当初2023年完成の予定でしたが、物価上昇や工事の難航で今年に入り完成が2028年にずれ込むことが発表されています。合わせて事業費も610億円から792億円に膨らむ見込みで、必ずしも”計画通り”進んでいるわけではありません。ただ事業効果は、西三河地方、ひいては名古屋圏にとってはかなり大きなものであることは間違いなく、今後も様々な障害を乗り越えて、一日でも早く完成することを願いたいです。
「知立駅付近立体交差事業」のその後はこちら