2020年年頭に考える③ リニアは名古屋で得する?損する?

2027年、リニア中央新幹線が品川ー名古屋間で開通します。開通すれば東京ー名古屋間はおよそ40分。名古屋には地殻変動ともいえるインパクトを与えることはいうまでもありません。では、具体的にどのような変化を名古屋にもたらすのか?その功罪を検証したいと思います。

リニア中央新幹線
リニア中央新幹線

三菱リサーチ&コンサルティングの試算では品川ー名古屋のリニア新幹線が開業されることによる経済効果は50年で10兆7000億円。当然、名古屋にも大きな経済的な恩恵があることが予想されます。

中でも大きなメリットが指摘されているのは去年9月に「第2ターミナル(T2)」(通称 LCCターミナル)が完成しているセントレア(中部国際空港)です。

セントレア第2ターミナル(T2)

ビジネス、観光含めて今後も海外からの訪日客が増加する事が予想されています。現状、成田・羽田の首都圏の二空港が飽和状態に達するなかで、リニアの開通で東京からの時間距離が短くなるセントレアには、首都圏第三空港としての機能が期待されています。

その他にも、リニアの開通で名古屋は東京、大阪双方に一時間以内でいける日本で唯一の街となり、他都市に比べ大きなアドバンテージが生まれることは間違いありません。



その一方で、リニア開通で懸念されているのは「ストロー現象」です。「ストロー現象」とは、大きな都市と小さな都市を新たな交通網で結んだ場合、大きな都市が小さな都市の「ヒト」、「モノ」、「カネ」をストローで吸い取るように吸い取ってしまい、大きな都市がより発展し、小さな都市が衰退するという現象です。卑近な例では、名駅地区の発展を続ける一方で、岡崎や豊橋の百貨店が閉店に追い込まれている現象は「ミニストロー現象」といえると思います。このストロー現象により、リニア開通が名古屋の街の衰退を招くと指摘する声があります。名古屋市の河村市長も依然、リニア開通について「どえらいチャンスだが、どえらい危機」と表現しています。

たしかに東京からみた場合、リニア開通により名古屋は首都圏のなかの一都市に過ぎなくなります。東京に本社のある大企業の一部には、今後、名古屋支店を閉鎖し、機能を本社のある東京に集中する動きがでることは容易に想像ができます。

ただその一方で、トヨタ自動車は近年、東京の機能の多くを名古屋のミッドランドスクエアに移転しています。

ミッドランドスクエア(wikiwikipediaより)

トヨタはすでに日本の企業というよりは世界企業です。トヨタにとって日本市場は全体の一部にすぎません。そのなかで経費のかかる東京に機能を置くよりは、名古屋に多くの機能を移した方が合理的と判断したのでしょう。トヨタのこの選択に、リニア後の名古屋が生きるための答えがあるような気がして仕方ありません。

世界企業にとって東京の中心部に本社機能を置くことの理由はあまりありません(東京には唯一、人材を確保しやすいというメリットがありますが)。世界市場に重点を置く日本の大企業や、外資系企業にとって、リニア開通後の名古屋は、東京からも近く、さまざまな経費も安いなど多くの魅力があるはずです。特に日本に進出をしてくる外資系企業にとっては、東京・大阪・名古屋の三大都市圏すべてに一時間以内でアクセスできる名古屋は、かなり魅力的なはずです。地元自治体や地元財界は、今後、名古屋のこうしたメリットをアピールする必要があるのではないでしょうか?

リニア開通後、名古屋がそのメリットを享受する事ができるのか?キーワードは”逆ストロー現象”です。




 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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