2020年あけましておめでとうございます。ブログ開設からまもなく一年。正直、ここまで続くとは思いませんでしたが、多くの読者の方に支えられてここまでくることができました。今年も何卒、ご愛顧をお願いします。
さて、新年あけたこともあり、改めていくつかのテーマで名古屋の将来を考えたいと思います。
一回目はこのブログの原点でもある栄再開発の整備の”カギ”を握る地元資本の力についてです。
名古屋の中心はどこ?
この質問に対して30代より上の年代の方は「栄」と答える人も多いかと思いますが、10代、20代の若者のほとんどは「名駅」と答えるのではないでしょうか?
1999年、当事”世界最大の駅ビル”と言われたJRセントラルタワーズが名駅にオープンして以降、名古屋の街の中心は徐々に栄から名駅へ。その後もミッドランドや大名古屋ビルヂングなど、名駅地区には次々に超高層ビルがたち、この20年で名古屋の中心は完全に栄から名駅に移ったといって過言ではありません。
この20年で見違えるように変化した「名駅地区」。その大きな原動力となったのは名古屋の地元企業ではない”外からの資本”です。
日本で最大の財閥・三菱グループが再開発した大名古屋ビルヂングや、郵政グループが手がけたJPタワーなどが、地元資本ではないことは容易に理解ができるかと思います。
ただセントラルタワーズやゲートタワーズを開発したJR東海や、ミッドランドスクエアを開発したトヨタは地元資本なのではないかと思う人も多いかと思います。しかし、中経連や名商といった地元経済団体で長年発言力があったのは中部電力、東邦ガスといった旧五摂家(中部電力、東邦ガス、名鉄、松坂屋、東海銀行)で、JR東海やトヨタは、いわば”外様企業”のような存在でした。(いまでこそ二社は地元財界でもそこそこの発言力がありますが・・・。)
名駅の目覚ましい再開発は、そもそも名古屋という小さなコップに収まっていない”外様企業”により、成し遂げられたといって過言ではありません。
その一方で、近年盛り上がっている栄地区の再開発は事情が違います。中日新聞グループが開発する中日ビル。三越の再開発構想のあるオリエンタルグループ。丸栄の再開発を手掛ける興和グループなどなど。
とかく閉鎖的と言われる名古屋経済。閉鎖的であるがゆえ、経済全体が安定していた反面、大きな変化がのぞめませんでした。いわば、栄はその象徴的な地域といえます。
そんななかで20年ほど前から名駅地区に”黒船”きたことで、栄地区を追い越し大きく差をつける発展を遂げました。
今回の栄地区再開発の気運は、こうした”外圧”に刺激を受けた地元資本が、活発になり始めた帰結なのかもしれません。