本線上り線(豊橋方面)の高架が完成、今後さらに工事が継続・・・「名鉄知立駅立体交差事業」 2023年5月
知立駅は本線と三河線が結節し、一日約3万人の乗降客数を誇る名鉄の主要駅です。この名鉄「知立駅」では現在、駅舎の建て替えとともに周辺の線路の高架化工事を進めています。
知立駅周辺では3階建ての複合立体交差となります。2階に本線、3階に三河線が設置される予定です。総事業費792億円のビッグプロジェクトで、工事は2010年から18年間かけて行われます。
この3月、先駆けて本線の上り線(豊橋方面)の高架が完成し、稼働をはじめました。
「知立駅立体交差事業」の前回投稿についてはこちら
真新しい駅のホームです。ただ開通しているのはまだ上り線(豊橋方面)だけで、下り線(名古屋方面)のホームは、依然、白いパネルで覆われています。
上り線(豊橋方面)だけ先に開通したのは理由があります。
上の図は工事の工程表です。現在はステップ4まで進行していますが、高架化工事が進んでいるのはまだ右側半分だけであることが確認できます。
まだ手がつけられていない残り半分の高架建設予定地には、高架に移転される前の本線上り線(豊橋方面)の線路が走っていました。工事はとりあえず本線上り線(豊橋方面)を高架線にした上で、旧線路を撤去し、残りの部分の高架を建設する手順で進められるようです。写真トラ柵の奥が旧本線上り線(豊橋方面)ですでに線路は撤去されました。
本線上り線(豊橋方面)の開通とともに、駅舎もベールを脱ぎました。
駅舎も特に商業施設などがあるわけではなく、複合立体交差の巨大駅なだけにまるで”要塞”のようです。
本線と三河線が結節する知立駅。駅の東側の踏切はかつてラッシュ時には1時間に47分踏切が降りているまさに”開かずの踏切”でした。今回の本線上り線の高架化で問題は多少緩和されたと思われますが、根本的な問題解決のためにも一日も早い事業完成が待たれます。
駅から伸びる三河線の高架もまだ建設途上です。知立駅では3階に設置される三河線の線路ですが、このあたりから2階の高さになります。人口減少やライフスタイルの変化で、全国的には鉄道の利用客は徐々に減少傾向にありますが、豊田市駅と知立駅を結ぶ三河線山線はまだまだ大きなポテンシャルを見込まれていて、現在は単線ですが将来複線化の構想もあります。
西三河地区は分厚い製造業が集積し、県内でも長く経済成長が続いている地域です。高架化事業が完成すれば、この地域に大きな波及効果がもたらせられるだけでなく、名古屋にも大きな相乗効果をもたらしてくれそうです。
「名鉄知立駅付近連続立体交差事業」のその後についてはこちら