今年3月、名古屋市議会の委員会で名古屋市が地下鉄「柳橋駅」の建設に前向きの姿勢をみせました。柳橋駅の建設は1940年代にも、東山線の名古屋駅と伏見駅の間に建設が検討されましたが、当時は需要不足だとして見送られた経緯があります。半世紀以上たった今、この「幻の駅」が実現に向け動きだした形です。
半世紀前には幻となったこの駅ですが、当時、将来建設される可能性を見越して設計されたようで、柱の間隔が広くとられるなど、駅に改変できるようつくられているようです。ホーム長さは100メートルで相対式、地下2階に両ホームを行き来できる地下通路が設けられる予定です。
しかし、この柳橋駅実現には問題もあります。
柳橋駅の近くでは地下鉄東山線が名古屋高速都心環状線と交差します。そして、駅構想があるところの地上は名古屋高速の錦橋の入り口があります。このため高速の支柱が地下まで貫いているのです。
この支柱を保護しながらの難工事になることも予想されます。ただ、巨額の累積債務を理由に、名城線の環状線化以降大きな投資がない名古屋市の地下鉄にとっては、久しぶりに明るい話題。なんとか実現してほしいものです。