愛知県 中部国際空港エリアにIR誘致を”検討”
ビッグニュースが飛び込んできました。愛知県は12日、常滑市内の中部国際空港周辺を対象にした地域での、カジノを含む統合型リゾート施設(IR)誘致を検討していくことを明らかにしたということです。今後、関心のある民間事業者の意見や提案を募るということですが、実現すれば周辺に大きなインパクトを与える事業です。本稿ではその可能性と今後の課題を整理したいと思います。
IR誘致を取り巻く環境
現在、大阪の夢洲(ゆめしま)地区では、2030年秋頃の完成を目指した日本初のカジノを含む統合型リゾート(IR)の建設が進められています。IRを巡っては、2018年にIR整備法が成立し、国内に3地域までIRが設置できることになりました。現在は大阪を除く2枠が空いた状態で、国は2027年5月〜11月頃をめどに新たな区域認定の申請受付をすることにしています。今回、愛知県はこの”残り2枠”に入るべく、誘致の検討に入ったことになります。
IR誘致のメリット、デメリット
メリット
IRはカジノのほかに、超大型のホテルや国際会議場などのMICE(マイス)施設、ショッピングモール、劇場などが整備されます。シンガポールのマリーナベイ・サンズなどはIRの代表格です。
IR誘致を誘致すれば、これら巨大施設の建設に伴う莫大な経済波及効果が期待できることに加えて、完成後も世界中から富裕層やビジネス客を呼び込むことができ、地域全体で大きなお金が回ることが見込まれます。さらに、カジノ収益の一部が納付金として国や自治体に入ることで、財政が潤うことも期待できるほか、数千人から数万人規模の雇用創出効果も見込まれます。
12日、記者会見した大村知事も「IRを整備することで国際観光都市都市を実現し、県経済や観光を活性化させることを目指し、若年層の東京圏への人口流出に歯止めをかける契機としたいと考えている」と誘致検討の意義を語っています。
デメリット
一方、デメリットとして指摘されているのは、国内のギャンブル依存患者の増加や治安の悪化、IR内で買い物が完結してしまうことによる地域の既存施設(周辺の商店街など)の客離れなどがあります。今回、中部国際空港周辺を候補地としたのも、一般住民の生活環境とはある程度”隔離”されていることで、こうした懸念を最小限にとどめるためと思われます。
IR誘致に向けた今後の課題
誘致に向けてのまず第一のハードルは、計画に参画する民間事業者が現れるのか?です。IRには数千億規模の多額の投資が必要になります。その投資額に見合うリターンに魅力を感じる民間事業者が現れるのか?です。これにはまずリニア開通などを控え、首都圏からのアクセスが飛躍的によくなることや、中部国際空港のすぐ近くであることをアピールし、日本各地や世界各地からのアクセスもしやすいことを強調し、愛知・名古屋地区だけでなくかなり広い範囲が商圏になることをアピールしていくことが大切です。
さらに第ニのハードルは地元の理解を得られるか?です。かつてカジノ誘致を試みた自治体で、常に地元住民の間で賛否が分かれ、誘致を断念したケースが数多くありました。とりわけ”保守的”とも言われる愛知・名古屋の県民性で、そのメリットを県民に浸透させていくかが大きな”カギ”となります。
そして第三のハードルは国の認可です。申請を受けた国はその計画の実現性などを判断して認可を下すことになります。その際、計画がしっかりしているか?が大きく問われることになります。愛知・名古屋地区は国内でも有数の”裕福”な地域なたけに、資金計画など他の地域より無理のない計画を立てることができる可能性は高いと思われますが、いかにしっかりとした計画を立てることができるかが大きな”カギ”となります。
まだまだ多くの課題がありますが、実現すれば愛知・名古屋にとっては閉塞感を打ち破る”夢”のある事業になることは間違いありません。是非とも関係者の奮闘に期待したいです。