用地は一体化もコインパーキングに逆戻り・・・旧「山口銀行名古屋支店」跡地利用 今後の行方は!? 2025年8月
中区伏見一丁目。地下鉄伏見駅から大津通りを南に下った御園座のさらに南のブロック。2021年に移転した旧「山口銀行名古屋支店」跡地。支店ビル解体後、コインパーキングとして活用されてきましたが、西隣の雑居ビルが解体作業に入った今年(2025年)春頃、一時、閉鎖されていました。
旧「山口銀行名古屋支店」跡地についてはこちら
雑居ビルの解体と同時にコインパーキングが閉鎖したことから、いよいよ一体開発による再開発がスタートするのでは?と期待したのですが、その後、やや意外な展開となりました。

西隣のビル解体後は、旧山口銀行名古屋支店跡地と一体化され、敷地が広がる形でコインパーキングに逆戻りとなりました。いずれもしばらくはコインパーキングとして”塩漬け”という形になりそうです。ただ、旧山口銀行名古屋支店ビルの解体も、今回の雑居ビルの解体も発注者は名古屋ビルディングという会社でした。名古屋ビルディングは、名古屋駅前の名古屋ビルなど名古屋都心で複数のオフィスビルを所有する不動産会社。将来的には、この場所に新たな高層オフィスビルが建設される可能性は高いと思われます。
ではなぜビルの建設が始まらないのか?ここからはあくまで推測ですが、考えられる理由は以下の2つです。
- 建築資材の高騰により、プロジェクトの採算性が見込めなくなっている。
- さらなる周囲の雑居ビルとの一体開発を計画している
一つ目の可能性については、今後、建築コストが落ち着く保障はなく、現段階でプロジェクトの採算性が見込めないのであれば、計画は”延期”ではなく”断念”されている可能性が高いと思われますが、雑居ビルの解体の発注者が名古屋ビルディングであることを考えると計画は生きていると思われます。
一方、二つ目の可能性ですが、敷地の周囲には、まだ低層の雑居ビルがいくつか残されています。
一体開発を進める際、先に用地買収が終了したところから建物を解体し、コインパーキングや低層のコンビニエンスストアを建設することで、用地買収完了まで暫定利用するということはままみられます。今回のケースもさらなる一体開発を進めるための途中経過ととらえることができるかもしれません。