かつて松坂屋、三越、名鉄とともに「4M」の一角を担っていた丸栄百貨店が閉店して2年半あまりが経ちました。丸栄百貨店の建物の解体工事はすでに終了しています。
敷地の北西角のところには、サカエチカの入り口がリニューアルされました。
気になるのは跡地の再開発がまったく動いているようにみえないことです。丸栄跡地を巡っては丸栄の親会社の興和が、広小路通りを挟んだ北側の敷地とともに一体開発をする構想を打ち出しているものの再開発用地の買収が思うようにすすんでおらず、丸栄解体跡地に、暫定施設として地上3階建ての“食“をテーマにした商業施設を建設することが明らかにされています。ただ気になるのは、丸栄百貨店の解体工事終了後、半年以上、工事が進捗していないようにみえます。
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当初の予定では、完成は21年春とされていましたから、本来はちょうど暫定施設がオープンしている頃だったと思われますが、新型コロナの影響で計画が幾度となく遅れ、完成予定はちょうど一年後の2022年春にまでずれ込んでいます。報道によりますと、工事の開始は昨年(2020年)11月とされていましたが、まだ本格的な工事が始まっていないように思います。更に計画変更となっているのでしょうか?今後の動向が気になります。
さらに気になるのが、広小路通りを挟んだ向かい。丸栄跡地との一体開発が計画されている「栄町ビル」です。建物に入居していた地元名古屋資本の老舗ホテル「国際ホテル」は、(2020年)9月末で閉館しました。
すでに建物の解体が決まっていて、建物の北側、錦通りに面した一角ではシャッターが下ろされています。
ビルの一階、地下一階の「栄町ビル商店街」も、多くのテナントが退去し、ガランとしています。
商店街にはすでにほとんどひと気がありませんが、依然、数店舗は営業中です。
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一年半ほど前の報道によると、ビルの解体に伴うテナントとの立ち退き交渉がうまくいかず、訴訟沙汰にもなっているということです。解体工事の開始は今月(3月)中の予定ですが、ひょっとしたら、いまだ交渉が決着していないのかもしれません。また仮に解体が始まったとしても、一体開発に向けた周囲の土地の買収が決着するまでの間、どのような形で暫定利用されるのか?についても気になります。
いずれにしてもなかなか計画が思い通りに進まず、今後も前途多難の丸栄跡地の一体開発事業ですが、ポテンシャルは現在栄地区で動いている他のいくつかの再開発事業をはるかに凌ぐと思われます。今後も、紆余曲折があるかもしれませんが、しっかりと腰を据え、中途半端な形で終わることのないような再開発を期待したいです。