2018年6月。名古屋の老舗百貨店「丸栄」が、閉店しました。かつては松阪屋、三越、名鉄百貨店とともに“4M“の一角をしめ、名古屋市内の小売業界に確固たる地位を築いてきた丸栄でしたが、高島屋の進出などによる競争激化などにさらされた結果、前身の「十一屋」から403年続いていた歴史に幕を下ろした格好です。
解体作業が始まってから、一年以上の月日が流れていますが、現在、建物の解体がほぼ終了したようです。
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現場は瓦礫の山がうず高く積み上がっています。多くの重機がはいり、忙しく動いています。
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丸栄の跡地については、親会社の興和が再開発を手掛けます。構想では広小路を挟んだ向いのブロックで、同じく興和が所有する「栄町ビル」や「ニューサカエビル」など周辺も含む一体開発が計画されています。
ただ計画を巡り一部地権者との交渉が難航していることや「栄町ビル」のテナントの立ち退き交渉が不調で訴訟問題にまで発展しています。
興和は従来2027年までの一体開発を目指していましたが、こうした状況のなか計画が大幅にずれ込むとの見通しを示していて、丸栄の跡地には暫定で、2020年末までに「食」をテーマにした地上3階建ての商業施設を建設するとしています。
そして暫定施設で土地を有功活用させながら向かいのブロックでの処々の問題が解決させ一体開発を行う予定のようです。
少し気になるのは、興和は暫定施設の活用期間を10年から20年としていることです。つまり暫定施設の活用が最大2040年までということで、その後にようやく一体開発を始める予定です。ほとんど計画が頓挫している状態と言っても過言ありません。
個人的には、まず丸栄の跡地を本格的に部分開発すればいいのでは?と思いますが、興和がそこまで一体開発にこだわる理由がなにかあるのかもしれません。
計画が暗礁に乗り上げている感があり甚だ心配ですが、引き続き今後の動静に注視したいと思います。