“名古屋の台所”とも言われている柳橋中央市場。中卸や飲食店などおよそ300店舗が軒を連ねる民間の水産市場です。しかしここ最近「柳橋中央水産市場」がビルの売却を決めるなど、中核ビルが次々に岐路にたたされており、”地殻変動”が起こっています。
まず驚かされたのは、錦通に面したところにあった「柳橋食品ビル」の全株売却。買収をしたのは、トヨタグループの不動産会社「東和不動産」。
東和不動産は言わずとしれた「ミッドランドスクエア」のオーナー企業。ほかにもセンチュリー豊田ビル、シンフォニー豊田ビル、名古屋クロスコートタワー、桜通豊田ビルと、名駅地区に合わせて5つの大規模ビルを所有していて、名駅の超高層ビル街の中核企業と言っても過言ではありません。その東和不動産が新たに「柳橋食品ビル」を買収したということは、いやが上にも大規模開発の可能性を予感します。現在、柳橋食品ビルの跡地は、コインパーキングとなっています。
さらに驚かされたのは、「柳橋中央市場水産ビル」の売却のニュース。ビルを所有する水産卸組合が昨年(2018年)末の臨時総会で、2019年10月末を目処にビルの売却と、組合の解散をすることを決めたようです。売却先は現状未定のようです。
柳橋中央市場水産ビルは70店の水産卸業者などが入居している柳橋市場の中核となっている建物。その建物が売却されるというのは、同市場にとってかなり大きなインパクトになります。
名駅地区至近の柳橋市場はかなりのポテンシャルをもった土地であることは間違いなく、今後、大規模な再開発がなされる可能性は高いといえます。ただ、一種独特の柳橋市場の街の風景が、大規模な再開発により失われてしまうのは、かなりもったいない気がします。柳橋の魅力を充分残しつつ、うまく再開発が進むことを願うばかりです。
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